![最近、無線LANの調子が悪くないですか?](https://magazine.synapse.jp/wp-content/uploads/2014/12/Screenshot_2014-11-14-17-02-481.png)
最近では、パソコンに加えてスマートフォンやタブレット、ゲーム機など無線LAN(Wi-Fi)を利用する場面はますます増えて、我々のネットライフに必要不可欠なものになっています。
しかし、その無線LANの利用が爆発的に広がるにつれ、勝手に切断されたり、ホームページの表示が遅かったりと「無線の調子が悪い」というトラブルも急速に増えてきています。
その原因を知るために、まず「無線LANとはどんなものなのか?」を知る必要があります。
無線LANの仕組み
無線LANでは、限りある資源「電波」を使って通信をします。
そして、現在の無線LANの規格では2.4GHz(ギガヘルツ)と5GHz(ギガヘルツ)という周波数帯の電波を使っているのですが、さらにその中をチャンネルという区切りを作ることで効率よくデータのやりとりを可能にしています。
それをふまえて、2.4GHzと5GHzの特徴とそれぞれのチャンネルの構造を具体的に見てみましょう。
2.4GHzのチャンネル
この帯域の電波は、電子レンジやBluetooth(ブルー・トゥース:スマホ、パソコン周辺機器の通信規格)やコードレス電話など、家庭でも多く使われている電波帯です。
2.4GHz帯の無線LANの電波は、1~13までのチャンネルに分けられています。
左の図を見ると各チャンネルはちょっとずつ重なっていますね。
ただでさえ家庭内で使われる頻度が高い上に、このように重なり合っているので、この電波帯はとても混線しやすいのがわかると思います。
5GHzのチャンネル
一方、5GHz帯は、気象レーダーでも利用されていますが、家電などでは利用されていません。
また、チャンネルは少し間が空いている部分もありますが、36 40 44 48 52 56 60 64 100 104 108 112 116 120 124 128 132 136 140という19のチャンネルに分けられています。
左図では間を一部端折っていますが、この全19チャンネルが完全に独立しており、基本的にそれぞれのチャンネルは重なることのない構成になっています。
無線LANの規格にはどんなものがあるの?
下の表のように通信の速度や利用周波数などによって、802.11●という5つの規格があります。
表の下のモノほど新しい規格で、最近家電店で売られているものは最新の802.11acに対応したものが増えてきています。
無線LAN機器の箱をみると、b/g/nなどの表記は、どの規格に対応した機器であるかを表しています。
せっかくなら新しくて高速な無線LANがほしいところですが、あなたのスマホやタブレット、ゲーム機がどの規格に対応しているかをしっかり確認して購入するようにしましょう。
無線LAN規格 | 最大通信速度 | 利用周波数帯 | |
---|---|---|---|
2.4GHz | 5GHz | ||
IEEE802.11a | 54Mbps | - | ○ |
IEEE802.11b | 11Mbps | ○ | - |
IEEE802.11g | 54Mbps | ○ | - |
IEEE802.11n | 600Mbps | ○ | ○ |
IEEE802.11ac | 6.93Gbps | - | ○ |
調子が悪いのは「電波の干渉」の影響
ズバリほとんどのケースで、調子の悪い無線LANというのは、上で紹介した2.4GHz帯の無線LANで起きています。
2.4GHzのチャンネル構成で紹介しましたが、このチャンネルの多くがお互いに重なり合っていることで起こる「電波の干渉」により、無線の調子が悪くなるという症状が発生します。
2.4GHz帯は、昔のスマートフォンから最新の携帯ゲーム機やタブレットなどほぼすべての無線を使う機器が対応しているため、とても便利な半面、このような干渉の問題も発生しやすいのです。
上図を見てもらえば、一目瞭然です。
左側の2.4GHz帯では、チャンネル(電波の山)が幾重にも重なりあっている事が見て取れます。
右側の5GHz帯でも一部の重なりはあるものの、まだ余裕があります。
スマホやタブレットが、5GHz帯の無線LANに積極的に対応するようになったのは、2.4GHz帯に比較して最近の事なので、対応した機器を持っていない方もまだまだ多く、携帯キャリアの無線LANスポットのために、いろんな施設やお店にこぞって2.4GHzの無線LAN機械を置いたという状況があり、無線が飽和状態になってしまったという状況があります。
快適に無線LANを使うために
ちょっとした工夫で無線LANを快適に使うことができます。
- 5GHz帯の電波に対応した機器を購入してみる
- 不要な無線LAN機器は外す
- 場所を変えないテレビやパソコンなどは有線でつなぐ
- 混雑していないチャンネルを使う
Android機をお持ちの方は、以下のアプリで無線LANの混雑っぷりを調べることができます。
これで自分の使っている無線LANが一体どこと混線しているのかが一目でわかりますね。
無線機器の設定画面にて、無線をすいているチャンネルに割り当てることができますので、試してみるとつながりにくい状況が改善するかもしれません。
(写真はITフェスタの状況で、ここまで混雑しているとチャンネルの割り当てでは効果がないかもしれませんが…)
BUFFALO無線機器
http://faq.buffalo.jp/app/answers/detail/a_id/52